電光石火×一騎当千
「やっぱり、あれかな? 手柄を上げて、いずれは一国一城の主にってやつ?」

「そんな俗っぽい下らん目的ではない。もっと高尚な目的だ」


カミナルが心外そうに言った。


コハルが口にしたのは、この大陸の侍たちなら誰もが夢見るロマンだと思えたが、

どうやらこの二人は、そんな世俗の煩悩にまみれた侍たちとは、目的を異にしているらしい。


──となると……、

「ストイックな感じ?
ひたすら強さを追い求めて武者修行の旅?」

いやいや、ひょっとすると……、

「それとも敵討ち?
二人とも共通の仇を追って──とかっ?」


しかし、コハルが思いついたいずれの答えにも、二人は首を横に振った。


「ええ──? それじゃ何なんですか? 二人の旅の目的って」

「フッ、知りたい?」

「知りたい知りたいっ!」


ワクワクしながら答えを待つコハルに、タイホウとカミナルは得意げな表情を浮かべ、声を揃えて語った。




『理想の恋人探しだ』
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