電光石火×一騎当千
一気に積極的になった少女と一頻り互いに快楽を貪り──


しかし……天真爛漫はどこへ行った?


などと、百戦錬磨のタイホウにも十分匹敵する彼女の妙技にややぼう然としつつ、
荒い息を吐きながら、寝具の上に少女と並んで一糸まとわぬ姿で横たわり、


「ねえ、タイホウさんとカミナルさんは」


ふと、そんな風に口を開いたのはコハルだった。


「どんな風に出会ったの?」


少女はキラキラした瞳でタイホウを覗き込んで尋ねた。

こういう表情だけ見ているとまさしく天真爛漫、純真無垢。


うーむ、わからん。


タイホウはこの少女がつかみきれなくなるのを感じて、苦笑いした。


「俺とカミナルの出会いか。聞きたい?」

「聞きたい、聞きたいっ」

コハルは無邪気に全裸のまま身を乗り出す。

「やっぱり、あれかな? カミナルさんのピンチをタイホウさんが救ったりとかしちゃって、感謝したカミナルさんと恋に落ちそうになったりとかっ」

「……そんな甘~い出会い方してたら、今のこんな無味乾燥って感じの関係になってると思うか?」

「あー思わないかも」

「だろ? ──俺とあいつが出会ったのは戦場だ」

いくさば? とコハルは首を傾げた。

「うーん、確かに甘くないね。ちょっとピリ辛な出会い?」

「ピリ辛どころか激辛だ」

タイホウは、女を魅了する鋭い切れ長の目を細めた。

「あいつとは同じ陣にいてな、夜営で景気づけに設けられた酒の席で会った」

あまり色気はなさそうな話だった。

「ふうん? じゃあ、そこで出会ってすぐに意気投合って感じ?」

「いや──」

過去を思い出し、タイホウは銀の髪を揺らして笑った。

「意気投合どころか、一触即発」

「え?」



「不倶戴天って感じだった」



そう、あれは──今から二年前、

大陸ヤマトの、ここより遙か西の地での出会いだった。
< 28 / 46 >

この作品をシェア

pagetop