素直になることの大切さ
「そういえば2人はどうしたんですか?」


海翔の顔を覗き込む沙弥。


「先にロビーにいるよ。」



チラッと沙弥を見て前に視線を戻す海翔。



“何か楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうなぁ。もう少しだけでも一緒にいたいな…。”


もうすぐお別れかと思うと急に寂しくなる沙弥は俯いて歩く。



「どうした?気分悪いとか?」


「もうすぐお別れかと思うと…。」


言いかけて口を塞ぐ沙弥。

「?」


海翔は首を傾げる。


「ごっ、ごめんなさい。何でもないです。」


視線をそらす沙弥に海翔は声をかける。


「ねぇ。何て呼べばいい?」

「え?」


キョトンとした顔で海翔を見る沙弥を海翔はプッと吹き出す。



「もう!笑わなくてもいいじゃないですかぁ!」


プクッと口を膨らます沙弥。



「アハハ!ごめん!ごめ…。」


空いた手でお腹を押さえる海翔。


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