恋恋【短】
未來は俺の彼女。
幼馴染みの未來は中学のときから付き合っていて親公認。
…だけど、ある事情で遠くにいっていて。
そして今日、俺に会いに来てくれたのだ。
たったひとりの、俺の彼女。
『ね、あたし、この海行きたい。』
回した俺の腕をキュッと握りながら、少し振り返り俺を見上げる未來に俺も柔く微笑んだ。
今からだと…8時くらいになるだろうか。
「いいよ、行こう。」
そうして俺たちは手を絡ませ合い、いつかふたりでデートした海を目指した。
ずっと未來に触れていたくて、時折ギュッと力を込めると未來も真似をしてくる。
そしてふたりで笑い合うんだ。
たったそれだけのことなのに、俺は泣きそうなくらいの幸せを感じていた。