本当はずっと、言いたかった


……ありえない。


何故こんなにも冷たく言えるのだろうか。

彼女を睨んでいると彼女は急かすように言ってきた。


「ほら早くしなよ」


そう言われて、あたしは下を向いた。

その景色すらまるで、あたしを急かしているように見えた。


飛び降りることをしなかったあたしに彼女は更に近付いて来た。



「来ないでってば!!!」


そう叫ぶのも虚しく彼女はもうすぐそばまで来ていた。


すると彼女はあたしの唯一の命綱の腕を掴んだ。


「!!!!!」


彼女に手を離されたら、今あたしは落ちる。

「自分で出来ないなら、あたしがしてあげる」


そう言うと、彼女はあたしの腕を掴む力を少し緩めた。


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