本当はずっと、言いたかった
とっさにあたしはその腕を力いっぱい掴んだ。
「離さないで!!!お願い……離さないで……!!」
恐怖のあまり、頬に涙が伝った。
あたしの言葉に満足したのか、
「行くよ」
と彼女はあたしを安全な場所へ運んでくれた。
今だ涙が止まらない。
止めようと思っても、次から次へと涙が溢れる。
すると今までずっと無表情だった彼女は初めて怒った顔をした。
「死ぬ覚悟も無いくせに、死のうとなんかすんな!!!」
あたしはそれに、否定した。
「死のうなんて……ほんとは思って無い!!!」
そう言うと、周りはシン…と静になった。
