ねえ、愛してる。
そしてその時は案外早く
訪れたのだった。
翌日、屋上に行くと
阿久津君はあたしの
特等席に座っていた。
席は何故か二席あり
あたしは阿久津くんの
前の席に座った。
(きっと先輩カップルが
残したと考えられる)
「あ、彩希ちゃん。」
「こんにちは。」
あたしは上辺の返事。
「わ~上辺だなあ笑」
そう彼は笑った。
あたしは驚いてほどき
かけていた弁当の包みを
一瞬止めたがすぐにそれ
は開始された。
そして彼はいきなり
「明日、俺にも!」
とだけ残してまた帰って
しまった。