素直にカエル2 ~先生と夏休み~
教室棟から離れた保健室は校庭からのにぎやかな声がよく聞こえた
確かサッカー部が試合をしてたっけ…
「何がいけないの?」
私は前田くんと目線を合わせようとしてしゃがんだ
けれど、前田くんはなかなかこちらを見てくれない
「…吉岡って意外と鈍感?」
「へ?ど、どうかな?」
前田くんはなんだか落ち着かない様子で床を見つめていた
別に体調が悪そうでもなく、ただ前後に体をゆらしながら座ってるだけ…
「前田くん…?私…何かした?」
「違うよ。吉岡は悪くないんだ…」
そう言って前田くんは立ち上がり、まだしゃがんだままの私を見下ろした
「ま…えだく…」
「オレさ…吉岡のことずっとスキだったんだ」
前田くんの口から、とんでもない言葉がこぼれ落ちてきた