素直にカエル2 ~先生と夏休み~
木村の口から前田の名前が出た時、オレの頭の中にある出来事が浮かんだ
前田が留学する前…
あいつがまだ1年の頃だった
オレは3組の副担任で、今ほど忙しくなかった頃
歳が近かったせいか、男子生徒によく恋愛相談をされていた
まあ、オレもそれほど経験豊富なほうではないけど、話すだけで楽になってくれるなら…とオレも出来る限り協力していた
『どうすれば機嫌よくなるかな?』
『いきなりキスしたら怒るのかな?』
自分も高校生の頃同じような経験があるからこそ、よくわかる
正直、オレだってわからないことばかりだった
高1の時初めてできた彼女
サッカーの試合を何回か見に来てくれていたクラスの女子だった
本当にスキだったし、大事にしたかったからキスもエッチも我慢してた
だけど、それが逆によくなかった
『私のことキライなんでしょ?』
そう言って、彼女はオレから離れていった
キスも、エッチも、何もせずに別れた