続・憂鬱girl
ゆっくりと階段から降りてくる音がする。
…この場合、誰かは、一人しかいなくて、
「おはようございます」
ニッコリと微笑む清々しい程の美形オーラ。慣れてないと直視したら、多分一瞬で洗脳される。
「今日はホットドックよ♪」
声を弾ませる母、赤塚牧子42歳。熱烈信者。
「牧子さんの料理は何でも美味しいですよ」
そして、シャーシャーと誉め言葉に微笑を添えて振りまきながら、当たり前のようにあたしの隣に座るのは、
「日和、おはよ。今朝もすまないね」
お陰でぐっすり眠れたよ。と表面的笑顔を貼り付ける並外れた美形、天咲秋人。
家族?違います。春兄の友達、なのに何故かいつも
「…もう本当、いい加減にして下さい!!」
泊まりに来たらあたしのベッドで寝ている。