続・憂鬱girl
抱きかかえられて、「下ろして下さいっ」と訴えるのにこの人の耳には全く届かない。
多少暴れた所でビクリともしないその体は、引き締まっていて、余分な肉なんてどこにもついてなくて、広くてあったかい。他に抱き締められた事がないから比べようもないけど。
ドキドキする心臓の音が聞こえないように、あたしは声を張り上げるのが精一杯だった。
当たり前の様に、あたしの部屋に入って、八畳の洋室にぴったり合うデザインが気に入っているテーブルの前に座らされた。
その向かい側に座る天咲秋人。
「で、おまえは何が苦手なんだ?」
キャラクター物の座布団にあぐらをかいて座るその姿も、絵になるから怖い。