天国の窓
「そ…、そっか、
 わざわざ
 電話ありがとね。」

貴也は、
携帯を切ると、
空を見上げました。

そして、
空をジーッと見つめると、
語りかけるように、
声を出しました。

「優子、ありがとう。
 皆、優子に
 感謝してるよ。

 これからも、
 俺と優子で、
 たくさんの命を
 救ってあげようぜ。」

その瞬間、
貴也は、
優子の存在を
身近に感じました。

「あっ、あの雲。」

気のせいなのか、
青空に浮かぶ
一つの雲が
優子の顔に見えました。

貴也はとっさに
デジカメの
シャッターを押しました。

次第に
優子に似た雲は、
風に散らされて
しまいました。

貴也は、
早速、撮った写真を
確認しました。

「なーんだ、
 やっぱり、
 気のせいかな。」

貴也は、
微笑むと、
足取り軽く、
また風景撮りに
歩を進めました。


 その写真には、
青空を自由に浮かぶ、
綺麗なまん丸い
積雲が
収められていました。

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