天国の窓
優子の為に
 貴也は、
優子の“目”となるべく、
日本中を旅する
決心をしたのです。

仕事は、
上司や周りから、
白い目で見られながらも、
何とか、長期休暇にこぎつけ、
貯金もすべて下ろし、
”すべては優子の為に”
と自分に言い聞かせながら、
愛車の250ccバイクを
走らせました。


バイクを道脇に止めては、
デジカメで景色を撮ります。

ビジネスホテルに帰り、
パソコンから
その日に撮った
たくさんの画像を
優子のパソコンに送るのです。
優子は、送られた画像を
“魔法の窓“に
映すと、
まるで景色を
見ているかのように、
映し出されるわけなのです。

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