天国の窓

貴也の
ただならぬ表情に、
和江は
それを信用するしか
ありませんでした。

「夢の中で、
　その後、
　優子何か一言
　言ってたと
　思うんだけど、
　”魔法の窓”の
　画面が暗く
　なってしまって、
　聞きとれなかったんだ。
　おばさん、
　あと優子、
　何か言ってた？」

和江は
ゆっくりと言いました。

「言ってたわよ

　“好きだよ、
　　ありがとう”

　って…。」

貴也の目からは
涙が溢れていました。

「魔法の窓
　作ってくれた事、
　いつも感謝してたわよ、
　それに、
　貴也君の事、
　本当に
　好きだったのね。」

しばらくの間、
貴也は何も
言えない位、
涙が止まりませんでした。