粉雪-3年後のクリスマス-のレビュー一覧
突然訪れる運命的な偶然は、ただ触れるだけでは舞い落ちた雪と同じで、瞬きする間に消えていく。 それを運命“的”ではなく“運命”とするには踏み出さなければそれは成りえない。 1歩を踏み出したその瞬間に、それは奇跡という輝きを放ちながら私たちの行き先を照らしてくれるのです。 それを本作は主人公の雪を通して私たちに教えてくれます。 クリスマスを前にして、まだ勇気を出せずにベッドの上のプレゼントを眺めているアナタ。 これを読んで見てください。 きっと、勇気のきっかけになる灯りがアナタのこころに燈されるはずですよ。 さぁ……踏み出しましょう。
クリスマスを目前にして彼女に振られたユキ いつもいつもこう いつもあと少しの勇気が出なくて いつも逃げ腰だった 好きだったのに 彼女の変化にも気づかず、今に甘えてしまっていた 不器用で 要領が悪い… そんなときかかってきた電話は知らない番号 だけど呼ばれる名前は 『ユキ君』 君は誰? 約束って何? もしかしたら偶然 だけどもしかしたら 必然 些細な事がきっかけで色んな事が重なって 何年も何年も積み重なって、出来る「今」 それってすごいことなのかも でももしかしたら「クリスマスの奇跡」かも そんな風に感じました もうすぐクリスマス 寒さの中に光る未来を感じてみて下さい
突然訪れる奇跡を運命と呼ぶのだろうか。 この作品の主人公、ユキは、多分、私達の身近にいる、男の子だ(社会人なので男の人の方が適切かもしれない) 芸能人や、御曹司や、社長でなく。生徒会長や、委員長や、オレ様でもない。どちらかと言うとつつましく生活している、決して、派手ではない、けれど、魅力的な男の子。 だから彼は私達と同じように、恋愛や会社で失敗したりもする。けれど、そんな彼の良さを知っている人は割と側にもいたりして隠れモテキャラとして読み手の心をドキドキさせてくれる。 そして、そんな彼が受けた、一件の間違い電話。 そこから物語は始まり、その謎が解けた時に、ユキと同様に、私達の心は鷲掴みにされるのだ。 この素敵な小説に。 クリスマスの為に綴られた、とても素敵な作品です。よくある恋愛ものとは少し違いますよ。 どうぞ、お楽しみください。