君が天使みたいだから
慌てて部屋に駆けて行き、服を脱ぎ捨てると、昭灯は床にへたり込んだ。

「あ…昭灯?」

後を追ってきた秀樹は困惑気味に昭灯を見つめ、何かに怯えたように揺れる瞳を見つけそっと抱き寄せた。

訳が分からないと秀樹は投げ捨てられた服を見る。

「買ったのか?お前が…」

とんちんかんなことを言い出す秀樹に、昭灯は八つ当たりをした。

「か、買うわけないだろっあんな服!女物だよ?!何言ってんだよもぅ!」

「に…似合ってたぞ…」

「………」

気持ち悪いと思っていたにも関わらず、二人には甘い空気が漂い始めた。

大好きな秀樹に求められてしまえば、昭灯は抵抗なんてできない。

背筋が凍るような思いがしたにも関わらず昭灯は秀樹に身を委ねてしまっていた。

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