【完】晴 時々 雨



わたしは教室に戻って

まず麻由子に報告をした



「ね、麻由子も行くでしょ?

わたし1人じゃ怖いし…」



後半はちょっと声をひそめて



だって

笹川さんと橋本さん

さっきからわたし達を

チラチラ見てるんだもん…



「うーん…

あんまり気は進まないけど

他ならぬハルちゃんのお願いだもんね。

一緒に行ってあげよう」



「ほんとっ!?やったぁ!

やっと谷君に

麻由子のこと紹介できる♪」



谷君に麻由子の話はいつもしてるけど

きちんと会うのは初めてだもんね



「ハルちゃん…

本当の目的はそれかい?」



「え…」



わたしは麻由子から目をそらして…



橋本さんと目が合ってしまった



ここぞとばかりに

2人がやって来て



「どうだった?

福岡君、来れるって?」



その言い方

あからさまに潤が目的って

暴露しちゃってますけど…



気付かなかったことにして

わたしは笑顔で応えた



「うん。

友達も連れてきてくれるって」



「マジ!?やった!

ハルちゃん、ありがとね」



2人が無邪気にはしゃぐ



あ…



こういう姿を見ると

普通の女の子だなぁって思う



喜んでくれて

うれしいな


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