【完】晴 時々 雨



ドンッ!!!



「っ!?」



耳元で大きな音がして

体がビクンと跳ねた



何…?



何が起こったの?



わたしがそれを知ったのは

目の前の笹川さんと橋本さんが

おびえた表情で向けた視線が



わたしを通り越して



わたしの後ろにいる



潤を見ていたから






わたしは恐る恐る

潤を振り返った




そこには

わたしの見たことのない

厳しい表情をした潤と






壁に叩きつけられた

握り締めた拳






「いい加減にしろ!!」



潤が声を荒げる



「てめぇらみたいな汚いヤツらに

とやかく言われる筋合いない!!

てめぇらが歪んでるから

ハルちゃんがいい子だってこともわかんねぇんだよ!!」



笹川さんと橋本さんの顔が赤くなる



きっと

怒りで



「ハルちゃんのこと

これ以上悪く言ったら俺が許さない!

覚えとけ!!」



最後にそう言い放って



「ハルちゃん、行こう」



潤がわたしの手を取った



ほとんどひきずられるようにして

わたしは潤に連れられていった



振り向きざまに見た笹川さんは

ぞっとするくらいに

怒りに満ちた目で

わたしを見ていた


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