【完】晴 時々 雨
「潤っ…」
少し前を歩いていた潤の後ろ姿に呼びかける
「ん?」
振り向いた潤の表情は
いつになく優しい
優しいからこそ
甘えちゃいけない
わたしはこぶしをきゅっと握りしめて
「ほんと、ありがと。
もうここでいいよ」
一人でできることは
一人でしなくちゃね
言い聞かせて
言葉を繋ぐ
「ここからは、一人で帰る」
潤は一瞬戸惑ったような目をしたけれど
また優しく笑って
「わかった。気を付けてな」
「うん」
わたしも笑顔を返す
ありがとう
潤