【完】晴 時々 雨
潤は
握った手に力を込める
腕が痛くて
少し
思考がはっきりする
「…でも…わたし…」
「行くな…!」
潤は
わたしを制して
掴んだままの腕を
強引に引き寄せた
そして
大きな手のひらで
わたしの頭を
自分の胸に押し当て
もう一度
言った
「行くな」
抵抗するように
体を動かしたけれど
今度は潤の腕がすっぽりとわたしを包み
きつく
きつく
抱きしめられた
「頼むから…行かないでくれ…」
潤の声が
震えた