【完】晴 時々 雨



「いやっ…相沢くん!」



わたしの目の前で

相沢くんが机に倒れこむ



何が起こったのか

すぐにわからなかったけど



潤が再び相沢くんに掴みかかった時

相沢くんが

潤に

殴られたんだって

わかった



「やめてっ!潤!お願い、やめて!!」



わたしは夢中で

潤の腕にしがみついた



正気を失った潤は

ものすごい力でわたしを振り払ったけれど



「うっ…」



払い飛ばされた拍子に

机に背中を強く打ち付けたわたしが

思わず上げたうめき声に気付き

我に返った



「あ…」



潤は

うろたえた様子で

自分の手をわたしを交互に見た



「俺…ごめん、ハルちゃん、ごめん!」



そう言って

わたしに手を差し伸べかけて

やめた



そして

こぶしをぎゅっと握り

唇をかんだ


< 258 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop