【完】晴 時々 雨
自分の耳が信じられなくて
わたしはそのまま動かず
息を詰めて次の瞬間を待っていた
「何やってんだよ…ったく…」
ため息交じりの声が
「だから放っとけないんだよ…!」
半分
怒ったみたいな
でも
親しみを込めてくれてるのが
わかる
ぶっきらぼうな
優しさ
大きな手のひらが
わたしの頭を強引にかき抱いて
「そんな無理すんなよ。
ひとりで立ち向かおうとするな」
わたしは
潤のあたたかい胸に
引き寄せられた