【完】晴 時々 雨
「あ。“ハルちゃん”だ」
他の友達と同じように
わたしを見て
最初に言う一言
わたしはいつものように
小さく頭を下げる
でも
顔が引きつる
谷君には気付かれなかったみたいで
「久しぶりじゃん!
サボってんじゃねーよ」
じゃれるように
その人の胸に軽く拳をあてる
「谷がハルちゃんを運良くゲットしたって噂を聞いたから
ほんとかどうか確かめに来てやったんだよ」
その人はからかうように
意地悪っぽく笑って見せる
「運良く、って何だよ!
ねぇハルちゃんっ」
「はっはい!?」
急に話題が飛んできて
焦るわたし
「どーも、はじめまして。
福岡潤っていいます。
よろしくね」
にっこり笑いかけられて
わたしもなんとか笑顔を返した
フクオカ ジュン
知ってる
何度
この名前を目でなぞっただろう