【完】晴 時々 雨
廊下に出ると
様子がおかしいことにはすぐに気付く
あたしはさっき感じた胸のときめきを
慌てて消し去った
少し強張った表情で
アイツが問う
「ハルちゃんは?」
ああ
やっぱりハルちゃんか
「谷君に呼ばれて出てったよ」
それは毎日のように繰り広げられる光景で
少しもおかしいことなんかないのに
「谷に…!?」
アイツの表情は瞬時に強張る
「探そう。ハルちゃん、たぶん泣いてる」
「え…!?」
嫉妬している場合じゃない
あたしにとっても
ハルちゃんは大事な人
泣いてるなんて
すぐに行って
抱きしめてあげなきゃ