【完】晴 時々 雨
生まれた時から父親はいない
家族は
めったに家に帰ってこない母親だけ
そうやって
七年間生きてきたあたしには
それが当たり前のことで
それがすべてだった
家族はバラバラに生活するものだと
信じて疑わなかった
だから淋しいなんて思ったことがないし
そもそもそんな概念は存在しない
心細さを感じることはあったけれど
それは生きていく上で
避けて通れないものだと思っていたから
辛くはなかった