【完】晴 時々 雨
女一人で歩いていれば
声をかけられることは少なくない
街が夜に包まれるにつれて
その数は多くなる
「一人?一緒に遊ぼうよ」
「かわいいね。いくつ?」
歳の近い高校生や大学生から
時には親より年上だろうオジサンまで
ナンパだったり
ふざけ半分にからんだり
お金で体を買おうとしたり
いろんな人がいる
最初は戸惑ったけれど
今では上手にかわせる
慣れてしまえば
人間観察する余裕さえ出て
そうなると結構おもしろかったりする
あたしにも母親のように
夜の街を行き交う人との接触を楽しむ能力が
備わっているのかもしれない
ふと
そんなふうに思った矢先のことだった