【完】晴 時々 雨
高校受験を一年後に控えた
中学三年生
わたしは地元の塾に通い始めた
その塾は地域の各所に支部があって
模擬試験や定期試験のような大きなテストの時だけ
本部の試験場に集められる
わたしが通う支部と福岡君が通う支部は
偶然にも座席が近くて
わたしは試験のたびに
福岡君を目にすることになったんだ
背がすらりと高くて
大人びた雰囲気を持つ福岡君は
目を引く存在だった
細い銀色のフレームの眼鏡をかけていて
その奥の切れ長の目は涼しげで
サラサラの黒髪の持ち主だった
綺麗な人だな…って思った
身のこなしもスマートで
とにかく何もかもが素敵だった
わたしだけじゃなく
たくさんの女の子の視線を集めていた