【完】晴 時々 雨



「潤は谷君とは

いつから仲良しなの?」



さっそく本題に入る



さっきから聞きたくて

うずうずしてたんだ



「高校からだよ。

中学は別だったからね」



わたし達は高校2年生だから

1年とちょっとかぁ



「やっぱり、その…

同じような雰囲気だったから

意気投合した、とか?」



ちょっと言葉を選んでみる



だって

『不良さん同士だから?』

なんて聞けないもんね



「いや?

俺達、最初は敵対してたんだ」



「てっ…敵!?」



いきなり出たヤバンな言葉に

ひるむわたし



「って言っても、谷は一匹狼だったよ。

俺は中学からの友達とつるんでたんだけど

谷にはそういうヤツがいなかったな。

まぁ、一人でも充分やってけるヤツだったから

誰かと組んだことないんだろうけど」



「…えっと、それはどういう意味でしょうか」



『一人でやってく』とか

『組む』とか

意味不明なんですけど…



「谷は昔からケンカ専門なの。

マジでいかれてるヤツで

自分からケンカ売っては相手をボコボコにしてた。

しかも数人のグループ相手にな」



「へ…へぇ…」



想像…したくないな



「谷のことは最初から警戒してたよ。

俺達も結構有名だったから

いつしかけられてもおかしくないって状態でさ

谷も俺達を狙ってるって噂あったし」



全く想像できない世界…



わたしは息をつめて

潤の話に耳を傾けた



「ちょうど1年くらい前になるかな。

俺のダチが谷につかまって

俺がかけつけた時にはボコボコにされてた。

それが、俺と谷の初対面」



う…わぁ…



ある意味ドラマチック

だよね


< 68 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop