空 想 恋 歌
そこに立っていたのは


「隼…」


隼だった。


「どうかしたの…?」


「いや…なんでもない」


「泣いてるのに、なんでもないんだ。」


「…そ、れは…」


「何か、あったんだろ?」


何で隼は今日合ったばかりのあたしに


こんなに優しくしてくれるんだろう


でも、今はその優しさが


何よりも暖かかった。


あたしは隼にさっきの事を全部話した。


話している間、隼は


自分の意見を言うでもなく


あたしの話しに相槌を打つでもなく


ただ、黙ってあたしの話を聞いていた
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