空 想 恋 歌
「菜々はさ、歌手とかになりたいの?」


五十嵐隼の突然の登場から約1時間


あたし達は、色んな事を話した。


「うん…でも、本当に叶うとは思ってないな」


「なんで?」


「親が厳しくてね、

歌手になりたいなんて言っても聞いてくれないと思う」


あたしの父は、一流企業の社長で


あたしには将来医者になれと毎日の様に言う。


医者なんかになる気はさらさら無いけど


「菜々の声とか、俺は好きだ」


「ありがとう」


『好きだ』


初めて言われた


嬉しい…。
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