Girls Kiss・『キライなキス』
キライなキス
「―ねぇ、あなた」

「ん?」

帰り道。呼び止められて、振り返る。

髪の長い、可愛い女の子が涙目で立っていた。

アタシの着ている制服とは違うから、別の高校の女の子か。

その可愛さに眼を奪われているうちに、

バチンッ!

…頬を叩かれた。

「あなたなんて…大ッキライ!」

そう言って、彼女はその場を去った。

たまたまアタシと一緒にいた友人二人が怒りながら彼女の背に罵声を浴びせていた。

けれどアタシは、彼女の姿が眼に焼き付いていた。

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