「さようなら。」は桜いろ
絵美についていくと、駅から学校まで、近道があった様で、意外と早く着いた。
二人は階段をかけ昇り、早紀が息を切らしながら教室のドアを開けると、もう掃除が始まっていた。
二人の姿を見ると、他の掃除要員の反応は冷たい。
そこに絵美が

「ごめんなさい。ちょっと時間間違えちゃって。」
と言うと早紀も

「ごめんなさい。」
と頭を下げた。

「何から始めれば良い?」
と早紀がクラスメイトに聞くと

「机の拭き掃除。」
とぶっきらぼうに言い放たれた。
二人は急いで雑巾を手に取り、他の生徒に追い付こうと、懸命に拭き掃除をした。

一通り机を拭き終わる頃、一人の男子生徒が

「じゃあ、遅刻した罰として二人には雑巾を洗って来てもらおうかな?」
と微笑みながら言葉をかけた。

「了解です!」
と絵美が言うと、雑巾の入ったバケツを受け取り、流し場へと向かった。
黙々と雑巾を洗っていると、早紀は

「ごめんね絵美。私が忘れてたせいで。」
と絵美に言うと

「気にしなくて良いよ。遅刻って言ったってほんの少しだし。」
と絵美に言った。
それでも早紀は余程罰が悪いのか、下を向いている。

そうしていると、二人の後ろから
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