バツイチの恋
大人の都合で振り回されるのは
いつも子供達
航太やっと落ち着いてきたのに
担任だった俺が
お母さんのことを
好きだって言ったら
きっと受け入れられない
やっぱり先生として
支えることしか出来ない様な
一歩踏み出すことは
してはいけない様な
そんな気がする
「稲葉さん積極的にいかないと
後悔することになるかも
しれませんよ
その人のことが好きやったら
まずその気持ちを伝えないと
子供達のことを含めて
受け入れる覚悟が
あるんやったら
気持ちを伝えてから
後のことを考えても
いいんやないですか」
大澤くんの言葉が響く
返事をすることが出来ず
頷くことしか出来ない俺
「稲葉さん限りある人生
今を大切にしないと
あっという間に年取りますよ
悩んでる間に
一人でおじいちゃん
そんなん寂しいですやん
」
大澤くんが続ける
「それに一生の中で本気で
好きになれる人に出逢える
そう何度もないと思う
だからこそその出逢いを
大切にしないときっと後悔する
俺はそう思いますよ
何か年下の俺が偉そうに
スミマセン
けど稲葉さんにも
幸せになってほしくて」
「…ありがとう
ちゃんと考えてみるよ」
暫く二人で飲んで
近いうちに桜心ちゃんの
お祝いに行く約束をして別れた