さよならの後に
―中学3年 冬


真っ白な雪に包まれながら、私は中学校へと走った

何度もこけたけど、早く、早く奏に報告したかったから


「そーうッ!!」

「結果、結果は?!」

「受かったよーッ!!」

「よっしゃーッ!! やったな、坂下!!」


私たちは、感激のあまり、抱き合ってしまった

お互いに照れて、すぐに離れてしまったけど

あの日の奏の体温は、今でも忘れてないよ

自分のことのように、喜んでくれた奏


本当に嬉しかったんだ


奏が、奏がすっごく喜んでくれたこと・・・






あの日は、一生の宝ものだよ


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