さよならの後に
―中学3年 卒業式

『これにて、第48回 東中学校卒業証書授与式を 終わります』


みんなが、別れを惜しんでるなか、

私は笑顔で卒業アルバムに一言書いてもらっていた

中学生活の最後の日は、笑って過ごしたいから

泣いている暇があったら、たくさんの人の笑顔を覚えていたかったから


「坂下ーッ!!」

「奏・・・」

「これ、書いてくんねぇか?

やっぱり、坂下に書いて欲しくてさ…」

「私のも書いてよ」

「りょーかい。

あ、お前、俺のは最高の字で書けよ?

【これ、あの坂下ひなのに書いてもらったんだぜ?】

って自慢したいから」

「奏・・・」

私は、泣かないって決めていたのになんだか、泣きそうになった

「はい、お前の卒アルに俺のサインも書いておいたから、

お前も自慢しろよー?

【これ、あの相沢選手に書いてもらったんだぜーッ!!】

ってな。」

「バッカじゃないの?」


でも、絶対自慢してやる、って思った



奏、でっかくなってね。

私が自慢できるような、野球選手になってね。

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