さよならの後に
「さよなら、坂下」

「さよなら、奏」

私たちは、笑顔でそう言いあった

その、次の瞬間




―キッキー

―ドンッ!!

鈍い音がした・・・

その瞬間、自分の体がブルブルと、震えたのがわかった

嫌な、予感が・・・した



「事故だーッ!!」

「人がひかれたぞー!!」

「誰か、誰か救急車を呼んでー!!」


・・・え?


奏が・・・ひかれた?

嘘だよ。そんなわけないよ・・・

冷静になって、ゆっくり振り返ってみよう

奏なわけ、ないし・・・

3・・・2・・・1



・・・奏だ





「・・・奏、なんで?

なんで、ひかれてるのよ・・・


野球は?

夢は?

約束は?


ねぇ、何か言ってよ。

ねぇ、ねぇってば・・・


奏ッ・・・」



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