さよならの後に
「さむいよーッ!!」

「すっげぇ!! プールの水が、緑色・・・」

「奏。入ってみなよ」

「絶対、無理」

「だよねー、入る人は本当にバカだよ。」

「俺、バカじゃねーし♪」

「…私からしてみれば、れっきとしたバカだよ」

「お前ッ!! 3年最後の期末テストの数学、俺より低かっただろうがッ!!」

「数学だけね♪ 他は全部、ダントツで奏より上~」

「るせーなッ!!」

私は昔からこうして奏と、バカ話をするのが好きだった


「懐かしいなぁ・・・あのころ、奏は野球に夢中だったよね」

「今もだよッ!!」

「そっか…奏には野球しかないもんね」

「おう。」


私は、奏の制服の裾をギュッってつかんでみた

「何~??」

「なんでもないよ~」


私たちを包んでくれる、プール独特のにおい

それすらも、変ってないんだね

まるで、神様が私たちのために変わらないようにしてくれたみたいだね
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