さよならの後に
―3年前 夏

「あ…たしね? 

小さい頃から、この監督の映画にでることが夢だったの・・・」

私は、昔から大好きだった監督の映画のオーディションを受けた

結果は見事に【不採用】


「何をしても…出たかったよぉ・・・」

「仕方ねぇ。で、済めばいいのにな・・・

やっぱりさ、坂下は演技に関してドがつくほど素人だ。」

「だから、これから先、この監督の映画のオーディションは全部受けろよ。

自分の手で夢、叶えてみろよ」


親にも友達にも「仕方ない」で済まされたことが、

奏にはそのあとにあったかい勇気づける言葉をもらえた

すっごく、すっごく嬉しかったんだ

「私には、まだまだチャンスはあるんだッ!!」

って思えてくるんだよ

直接、言えなかったけれど

「奏、ありがとう」







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