永遠の片想い
ガチャンっ。


扉が閉まったその音にハっとした先輩は、扉の前で佇む私に気付く。


「絵里奈…っ」


いつになく頼りない目をした先輩は、突然私を抱きしめる。


「…私も、あんたが大好きなんだよ…っ」

「ぇ…?ユキ…先輩?」


私の声に先輩は体を離す。


「ごめんね…っ」


私の頭をポンっと撫でながら、先輩はそう言って泣きながら屋上を出ていった。

何が何だかわからない私はその場から動けず、真っ青な空の下で地面に膝をついた。


「全然…意味わかんないよ」


泣きじゃくる先輩の横顔が脳裏に焼き付いて頭から離れず、疑問だけが増えていく。

でも私は、もうすぐ先輩の言葉の意味を知る事になる。
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