永遠の片想い
「マリも…知ってたの?」


視線を合わさずにそう言うと、マリは"ごめんね"と言って鼻を啜る。


何でマリが泣くの?

泣きたいのはこっちだよ。


私だけ何も知らなくて、バカみたいに何でも話して。


笑っちゃうよ、本当。


「全部忘れるって…佳祐はそれでいいの?」


必死に涙を堪えながらそう聞く私に、ひどく冷たい声で佳祐は言った。


「いいも何も、最初から何もねぇじゃん。俺ら」


今日までの思い出が、粉々に砕け散った瞬間だったと思う。

そしてその瞬間、全ての感情を失った気がした。


「お前、本気で言ってんの?」


泣き崩れそうな私を支えながら、シュンくんはそう言って拳を握りしめる。
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