永遠の片想い
「佳祐、その言い方はねーだろ」


ミっくんまでもが、怒りをあらわにする。

私の為に怒ってくれてるのは、痛いくらいにわかってるけど。

そんな事さえもうどうでもよかった。


二人がどれだけ想い合ってるかなんて、私は知らない。

だけど繋がれた二人の手は、今の今まで一度も放れずに握られたまま。


そんな姿を見ているうちに、今この場に一番相応しくないのは私なんだと、思い知らされた気がしたんだ。


「私、帰るわ」


腕から滑り落ちたバックを拾い、感情を押し殺す。


「先輩、すいませんでした」


私は、先輩に深く頭を下げる。

だって、先輩があの日屋上で流した涙は、きっと私の為だったんだって。

今になって、わかったから。
< 116 / 402 >

この作品をシェア

pagetop