永遠の片想い
「じゃあ、佳祐との事も知ってるんだよね?」


そう言って笑う私は、多分泣きそうだったに違いない。


「全部知ってるって程じゃないけど、うん…ある程度話は聞いてる」


チカは"ごめんね"と謝る。


「全然大丈夫だよ。逆に、知っててくれてよかった」


チカに気を遣わせてしまった事が、どこか申し訳ない。


「私ね、今も佳祐の事大好きなんだ」


なぜかチカには、佳祐の事を話したくなった。


「すごく好き」

「絵里奈…」

「どうしてもダメなんだけどね」


そう言って笑う私に、チカは何を思ったんだろう。


「わかるよ、私も片思いだから」


チカは"切ないよね"と言って、お茶を飲み干した。
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