永遠の片想い
そんなチカに思わず笑ってしまった私は、返事をする代わりに大きく両手で丸を作った。

まぁ、体育の先生に怒られたのは言うまでもないけどね。

授業が終わり、すぐに教室まで迎えに来たチカ。


「絵里奈ー、帰ろう」


チカの声に教室を出ると、昇降口でユキ先輩に鉢合わせた。


「絵里奈じゃん」


ユキ先輩の友達のアケミ先輩に声をかけられ、思わず肩が上がる。


「こんにちわ」


軽く頭をさげた私はチカの腕をひき、逃げるようにその場を後にする。


「大丈夫?」


チカの声にハっとし、掴んでいた手を離す。


「あ、うん…大丈夫」


謝る私に、チカは優しく笑う。

まだ、全然強くなれないよ。
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