永遠の片想い
「去年はどんな願い事した?」

「それ、聞いて笑わねぇ?」

「えー笑わないよ…多分」


シュンくんは"絶対ぇ笑うなよ"と確認した後、ためらいがちに口を開いた。


「進級出来ますように」


その言葉に笑ってしまったのは、言うまでもない。


「笑うなっての」


耳まで赤くするシュンくんが、かわいいとさえ思う。


「現実的だね」

「あーもう。まじかっこわりぃじゃん、俺」


そう言ってうなだれる彼に、私の緊張もどこかへ行ってしまったようだ。


ツリーの前で撮った、記念の写メ。

画面の中では、少しぎこちない二人が笑っていた。


「どっか行きたい所ある?」


ふと聞かれた問い掛け。
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