永遠の片想い
「私、ペンギンが見たい」


偶然目にしたぬいぐるみから出たその発言に、シュンくんは笑いながら聞き返す。


「ペンギン?」


目を細め笑う顔は、今にも吸い込まれてしまいそう。


「じゃあ、水族館行きますか」


そう言って、私の目的を第一に考えてくれるシュンくん。


この人と付き合ったら、きっと私は幸せなんだろうと、何度も思う。


優しく差し延べられる手も、握ればきっと離しはしない。

彼を好きだと言えば、きっと大事にしてくれるだろう。


「どうした?」


その声にハっとし、私は顔を上げる。


「大丈夫?」

「うん、何でもないよ」


心配そうに私の顔を覗き込む彼に、笑顔で答えた。
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