永遠の片想い
「願い事したらペンギン見に行こう」


そう言って、彼はツリーを指差した。


「何お願いしようかな」

「やっぱ、進級しかなくね?」

「えー、それだけは絶対ヤダ」

「絶対ヤダって…俺の事バカにしてんだろ?」


シュンくんのそんな言葉に笑いながら、私達は両手を合わせ、ゆっくり瞳を閉じる。


本当に叶えたい願いなんて、神様には言えなくて。

瞼に当たる風さえ、何だか欝陶しく感じた。


私は好きな人の幸せを願える程強くもないけど、"好きになって"と願う程弱くもない。


そんな中途半端な自分が、心底嫌になる。


何を想えばいいのかわからない私は、とりあえず楽しいクリスマスになりますようにと願い、目を開けた。
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