永遠の片想い
「ずいぶん真剣に願ってんね」


そう言って、彼は寂しそうな顔で私を見つめた。


「"進級出来ますように"って願ってみたよ」

「まじで?」

「さぁ、どうでしょう」


舌を出してそう言ってみせると、眉を寄せながら彼が口を開く。


「やっぱバカにしてんだろ、俺の事」


そう言って、わざとふて腐れるシュンくんがかわいくて。

私は、思わず声を出して笑ってしまった。


「てか、笑いすぎだって」


片手で自分の頭をクシャっとし、彼はハっと笑う。


「シュンくんの願い事は?」

「教えてあげない」


"言ったら叶わなくなるから"と舌を出し返してきた彼は、なぜか勝ち誇った顔で笑っていた。
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