永遠の片想い

傾く想いの先

水族館に着いた私達。


「意外と空いてるね」


入口で辺りを見回していると、ペシっと頭越しに渡されたチケット。


「あ、ごめんね。いくらだった?」

「いいよ、今日は俺のおごり」


そう言って、財布をしまうシュンくん。


「いやいや、ダメだよ。プレゼントだってもらっ…」


言いかけた私の前に、人差し指を突き出す。


「今日は素直におごられてよ」

「でも…」


シュンくんは中々財布をバックにしまわない私に、"俺もかっこつけたいの"と言って笑った。


「何か、ごめんね」


そう言って渋々財布をしまう私に、シュンくんは言う。


「俺、"ごめん"より"ありがとう"の方が嬉しいんだけど」
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