永遠の片想い

絵馬の願い事

「やっぱりかわいい」


そう言って、はしゃぐママ。


「てか、苦しいんだけど」


正月だからと無理矢理着させられた着物姿に、パパもカメラを向ける。


「よく似合ってるわよ」

「ほら、笑ってみろ」


こうして家族が集まるなんて、本当に久しぶり。


「私、待ち合わせしてるからもう行くよ」


年越しを家で過ごすとは、思ってもみなかったけど。

家族と過ごす年越しは、一体いつ以来だろうか。

恥ずかしくも、何だか嬉しかった。


「彼氏?」


ママの言葉に、パパは固まる。


「お前、彼氏いるのか?」

「違うよ、友達」


適当にごまかしながら、私は家を出た。

着物でなんて歩き慣れなくて、何だか変な気分。
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