永遠の片想い
「え、私も末吉なんだけど」

「まじで?」

「ほら」


そう言って紙切れを渡すと、シュンくんが笑い出す。


「どっちが奢るんだよってゆーね」

「確かに」


目と目があった私達は、思わず吹き出して笑った。


「あ、そうだ。俺お守り買ってくるから、待ってて」


人込みへと消えて行くシュンくんの背中を、私は見送る。

彼を待ってる間ふと目にしたのは、今年の干支が書いてある絵馬。

私は、すぐに神子さんに声をかけた。


「すみません、これ一つ下さい」

「はい、どうぞ」


シュンくんがまだ並んでるの確認し、私は絵馬を受け取る。

小さな願いだけど、何となく知られたくなかった。
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